NPO法人富士山ホシガラスの会Facebook
認定NPO法人富士山クラブのプロジェクトの活動として始まり、同プロジェクトメンバーの多くが参加して発足した富士山ホシガラスの会と富士山クラブとの協働事業「ウラジロモミ人工林の混交林化計画(実験)」は、7年が経過しました。 令和3年度は、富士山スカイラインの土砂流出災害により、協定林へのルートが通行止めとなり、当会が計画していた調査が予定通りに進まず、十分な成果が得られなかったため、令和3年度はこの活動に至る背景と富士山クラブが2008年に開始した協定林での生物多様性に関する調査、検証なども含め、当会と富士山クラブが協働事業として取り組んできたこれまでの活動をまとめ、中間報告としました。
本書は、御殿場市環境課との市民協働型まちづくり事業の集大成として2018年に発行した「富士山御殿場口の自然環境と課題」の改訂版です。 改訂版の作成にあたり、その後に発生した雪代などにより定点観察地点がどのように変化したかなど、新たな調査資料を加えました。 本書は静岡県富士山環境保全事業補助金交付を受けて作成しました。 1000部印刷、無償配布しております。入手ご希望の方は御殿場市環境課または御殿場市市民交流センターふじざくら内の御殿場市民活動支援センターでお受取りください。
この報告書は富士山クラブ西臼塚協定林混交林化計画に基き2019年に実施した調査結果を纏めたものです。 本事業計画については2019年2月の中間報告を参照してください。
調査は3年前(伐採前)に実施したコドラートによる植生調査の追跡調査、協定林および周辺域の環境調査、伐採前と同ポジションでの全天写真撮影、ブナの種子調査、カシノナガキクイムシが穿入したミズナラの分布状況などです。
1707年の宝永噴火で消滅した森が再生してゆく状況を標高2000mの須走口の遊歩道で観察するためのガイド冊子です。 小学校〜中学校の教員、または高校生以上のための現地観察学習ガイドとして平成28年度(2016年)に作成した冊子の改訂版です。
この事業はNPO法人富士山クラブの協定林内のウラジロモミ人工林を効率良く混交林化するための実験的な事業であり、当会メンバーが2008年から富士山クラブの森林保全プロジェクトとして協定林の管理を担当したことから、2014年に協働事業として計画されたものです。事業は当会学術顧問の渡辺定元博士の指導と静岡森林管理署の協力により進めており、2018年12月に間伐が完了しました。 計画は、二次林の境界部分のウラジロモミを間引きする。ウラジロモミ林の林間に点在する落葉高木の成長、枝張りを促すため周辺のウラジロモミを伐採する。直径10~15m程度の空間を複数創出し、落葉広葉樹の植栽、埋土種子の芽吹き、撹乱により種子発芽を促す等により、多様性を復元する試みを行い、経過を観察するものです。
この事業(日立ハイテクサイエンス小山事業所 生物多様性プロジェクト)は事業所敷地内の人工林を伐採し、雑木林などの森づくりにより生物多様性を創出するもので、研究施設としては日本初のJHEP認証を取得したものです。 2015年、当会は小山町からの要請を受け、プロジェクトに協力することを決定し、2016年に区域ごとに伐採前の植物相調査を開始、2016年、2017年に野鳥の生息調査、2017年に動物調査を行い基礎データとしました。その間、当会は生物多様性創出のため様々な提案をしてきましたが、残念なことに提案が受け入れられることなく事業が進んだため、平成30年度で支援を終了することにしました。支援事業としては失敗に終わりましたが、麓の自然環境について貴重な記録を得ることができました。
「日立ハイテクサイエンス小山事業所 生物多様性プロジェクトへの支援・事業報告書」は巻末に再編収録しました。
2018年7月 自然観察ガイド・富士山御殿場口の自然観察
小学生以上を対象にした自然観察ガイド「富士山御殿場口の自然観察」(A5版 6ページ)を作成しました。御殿場口の雪代跡に見られる先駆植物(パイオニア植物)と、島のような植物群落(パッチ)の中とその周辺で見られる主な植物を収録しました。また、森林限界と森の中など、それぞれの場所の特徴とそこで見られる植物の一部を紹介しています。植物の他に、野鳥、動物、昆虫、花や昆虫の拡大写真なども掲載しました。 御殿場口新五合目駐車場周辺では植樹活動により自然景観が失われており、調査で記録した186種の植物のうち120種が外来種を含む非在来種です。御殿場口火山荒原本来の自然を観察するには登山道を大石茶屋近くまで登らなければなりません。裏表紙には御殿場口で繁殖が進んでいる外来植物と侵入植物を掲載しました。
2013年4月、当会(NPO設立準備会)は静岡森林管理署を訪問し、鹿の食害から植物相を保存するため天然林への柵の設置などを要望しました。同署ではすでに水ヶ塚区域への柵を設置する計画があり、当会の要望を受けて協働で現地調査を行い旧須山口周辺に4基の柵を設置することを決定、2013年11月~12月、静岡森林管理署、常葉大学と協働で旧須山口周辺標高1400m~1500mの天然林に4基の植生保護柵を設置しました。当会は周辺地域の食害の調査、動物学者今泉忠明先生の指導による動物調査などと並行して柵の保守管理を担当しています。柵の内外でのコドラートによる植生調査、柵内の地掻き試験などを行い、柵設置3年後の効果を検証し、調査結果をまとめました。
2014年11月から2015年10月まで7回にわたる調査で記録した進入植物に、富士山自然誌研究会の記録を加えた91種を掲載しました。91種の内、外来種は28種、「ヒメスイバ」の繁殖「ビロードモウズイカ」の進入なども確認され、かなり危機的な状況であることが分かります。初版は当会の調査で記録されなかった植物の写真が無いものがあり、資料写真、図鑑参照としていますが、PDF版は順次改定しており、2016年以降に記録した侵入植物も加える予定です。尚、このハンドブックは侵入植物を駆除するために作成したものですので、植栽された非在来植物は掲載しておりません。詳しい情報は冊子「富士山御殿場口の自然環境と課題」を参照してください。